「脱炭素」という言葉自体は耳にしたことがあっても、その意味や具体的な取り組みについてはわからないという方もいるのではないでしょうか。
脱炭素社会の実現は、経済成長と環境保全の両立を実現するための重要な課題となっています。地球環境を守り未来の世代に豊かな自然を残すため、世界一体となって温室効果ガス排出削減に取り組んでいかなければなりません。
この記事では、脱炭素の意味やなぜ今求められているのかについてわかりやすく解説します。さらに、脱炭素社会の実現に向けた世界全体での取り組みや、一人ひとりが日常生活で環境に優しい選択をするための指針についてご紹介していきます。
脱炭素とは何か?
脱炭素とは、地球温暖化の主な原因である温室効果ガス、特に二酸化炭素(CO2)の排出量を削減し、実質的な排出量をゼロにする取り組みのことです。
「実質的な排出量をゼロにする」とは、温室効果ガス排出量を削減するとともに、排出を避けられない部分に関しては、森林によるCO2の吸収や回収・貯蓄することで、排出量と吸収量のバランスを取り、温室効果ガスの総量をほぼゼロの状態にすることを指します。これは、地球温暖化の進行を阻止するために世界が目標として掲げるもので、日本を含めいくつかの国では2050年までの脱炭素社会の実現を宣言しています。
なぜ脱炭素が求められているのか?
脱炭素が今これほどまでに重要となっているのは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出により地球規模の気候変動が加速することで、自然環境だけでなく私たちの生活環境に甚大な影響を与えているからです。このまま対策をしなければ将来的な災害リスクが高まることは避けられません。
未来を担う子供たちにより良い環境を残すためにも、脱炭素に向けて行動していくことが求められています。
ここからは脱炭素社会を実現する目的について詳しく解説します。
地球温暖化の防止
温室効果ガスは地球の気候バランスを保つのに不可欠ですが、過剰な増加による地球温暖化は深刻な問題です。
産業革命以降、経済活動によって急速に増加した温室効果ガスが地球の自然な気候システムに深刻な影響を及ぼしています。化石燃料の使用によって発生した二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスは、地球を適度な環境に保つ重要な役割を果たす一方で、濃度が自然のサイクルを超えると温暖化を加速させます。
この結果、様々な環境問題に直面しています。地球の平均気温上昇は厳しい熱波、干ばつ、洪水、台風といった極端な気象現象をもたらし、氷河の融解による海面上昇は沿岸部都市に甚大な被害のリスクを高めます。また、温度変化に敏感な生態系は、種の絶滅や分布の変化といった取り返しのつかない変化に直面しています。
このまま対策をせずに経済活動を続けることは地球にとって大きなリスクとなるため、脱炭素社会の実現が急務となっています。
化石燃料の使用による大気汚染の防止
化石燃料の使用は、大気汚染の主要な原因となっています。これは、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼すると、窒素酸化物や硫黄酸化物が大量に排出されるためです。
また、私たちの生活と関わりが大きいものとしてとして車の利用があります。
車は私たちに利便性をもたらす一方で、CO2など大気汚染物質を排出する一因です。車両からの排気ガスにより、スモッグの原因となる窒素酸化物や酸性雨の元となる硫黄酸化物の排出にもつながります。これらの物質は、自然環境だけでなく私たちの健康にも悪影響を及ぼしています。
脱炭素社会に向けた世界の動き
ここまで脱炭素をする目的についてご紹介してきました。
これらの状況を踏まえ、世界各国が脱炭素社会への移行を目指し、二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスの排出量削減に向けて取り組んでいます。
ここからは脱炭素社会の実現に向けた世界全体の動きについて見ていきたいと思います。
京都議定書
地球温暖化は今日の社会で直面している差し迫った課題の一つです。1997年に日本の京都で開催された第3回地球温暖化防止京都会議(COP3)で先進国がリーダーとなり、温室効果ガス排出削減目標を定めた京都議定書は、脱炭素社会への重要な一歩を記しました。
この協定は、地球温暖化の主因である温室効果ガスの排出量を法的に義務付け、削減することを目的としています。特に二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)など気候変動に大きく影響するガスの排出削減を加盟国に求めています。京都議定書により先進国は排出削減目標を法的な義務と位置付け、環境意識の世界的な高揚と共に環境技術の革新と投資も奨励しました。
しかし京都議定書は全ての国の参加を得たわけではなく、特に最大の排出国の一つであるアメリカ合衆国が批准していません。国際協定における合意形成の難しさは、温室効果ガス削減への国際的な協力の重要性を示し、各国が経済的・社会的利益と環境的責任のバランスを取る複雑さを示しています。
京都議定書は温暖化対策における国際社会の責任と機能を確立する試みであり、その枠組みは後続の合意、例えばパリ協定による地球環境の保護へも影響を与えています。私たち市民には国際的な取り組みへの理解を深め、具体的な行動に移すことが地球の美しい未来を守るために不可欠です。
パリ協定
地球の未来を守るため、2015年に開催された第21回国連気候変動会議(COP21)で採択されたパリ協定は、世界共通の環境問題に向けた解決策を提示しました。京都議定書を受け継ぎながら、より進歩的で広範囲な対策へ方向転換したこの合意は、温室効果ガス排出の抑制と持続可能な社会への移行を目標としています。
協定の主要目標は、産業革命以前と比べて世界の平均気温上昇を2度未満、理想的には1.5度未満に抑えることです。各参加国は国情に応じた排出削減目標を設定し、地球温暖化の脅威から世界を守るため積極的に行動する必要があります。
脱炭素社会の実現に向け、技術革新や再生可能エネルギー推進、環境に優しいライフスタイルの普及などの具体的手法が模索されています。パリ協定は、異なる経済や文化を持つ国々の協力で温暖化対策を進める基盤を築きました。
地球温暖化の進行を遅らせ逆転させることは現代社会の重要課題です。パリ協定はこれに対し国際的枠組みとして、持続可能な未来へ軌道修正を促しています。私たち一人一人が意識と行動を変えることが、今求められています。
SDGs(持続可能な開発目標)
SDGs、「持続可能な開発目標」は、2015年の国連サミットで制定され、2030年を目標とする世界共通の課題です。これらは、貧困の撲滅、飢えの解消、質の高い教育の提供、性別による不平等の解消など、17の目標に分かれています。環境に関する目標が重要視され、特に目標7(全ての人への持続可能なエネルギーの提供と利用)と目標13(気候変動に対する緊急行動)は、脱炭素社会への移行に不可欠なものとされています。
私たちのエネルギー使用が地球温暖化の原因になっているのは周知の事実です。SDGsの目標7は再生可能エネルギーへの移行を促し、地球温暖化の進行を抑えることを目指しています。目標13では、気候変動に立ち向かう国際的な政策実施や影響を最小限に抑える対策を進めています。これらの取り組みにより、持続可能な社会の構築を目指しています。
持続可能な開発目標を追求するには、一人ひとりが環境に配慮した選択をすることが大切です。省エネ家電への切り替え、公共交通の利用、食品ロスの低減など、脱炭素につながるサステナブルな生活習慣が重要です。
経済成長を続けつつ地球環境を保持するには、私たち全員の理解と次世代に沿った行動が必要です。
代表的な取り組み事例
脱炭素社会への移行は、地球温暖化という現代社会が直面する大きな課題に対処するため、国際的な環境問題として重視されています。再生可能エネルギーの利用比率を高め、将来のエネルギー源とされる水素の利用を促進し、交通手段の電動化を推進するなど、各国は独自の政策を展開して温室効果ガスの排出量の削減に取り組んでいます。
ここからは、持続可能な地球環境を守るための世界の取り組みを詳しく見ていきます。
再生可能エネルギーの使用
私たちの地球は今、化石燃料の過剰な使用により生じた二酸化炭素の排出増大という未曾有の危機に直面しています。この状況を打開するために、各国が脱炭素社会の構築を目指して再生可能エネルギーに注目しています。
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界に存在する無尽蔵のエネルギー源です。これらは循環する資源として、持続可能なエネルギー供給を約束し、化石燃料に代わる環境に優しい解決策として期待されています。
特筆すべきは、太陽光発電や風力発電などによるクリーンエネルギーの導入推進です。これらの再生可能エネルギーは、化石燃料の燃焼時に比べて、温室効果ガスの排出量を劇的に削減できます。例えば、太陽光発電は日光を直接電気に変換し、風力発電は風の動力を利用して発電します。水力発電も川の流れや潮の満ち引きによるエネルギーを利用するため、脱炭素化に大いに貢献します。
ヨーロッパなどの先進国では、再生可能エネルギーへの転換を積極的に進めており、電力消費の大部分をクリーンエネルギーで賄う国も増えています。これらの国々では法的推進策のほか、民間企業や市民自らが再生可能エネルギーを受け入れ、その価値と必要性を理解しています。
従来型エネルギーに比べて再生可能資源は、エネルギーセキュリティを向上させる一方で、石油や石炭などの資源枯渇のリスクから私たちを解放するものです。脱炭素社会の実現に向けて、今後も再生可能エネルギーの普及とそれを支える技術開発への投資が重要です。
水素燃料の活用
水素燃料は炭素排出量をゼロに抑えることができ、クリーンエネルギーとしての地位を確立しつつあります。水素の利用で燃焼時に二酸化炭素を排出せず、副産物として水を生み出すため、温室効果ガスの削減につながります。経済性と環境性を兼ね備えている点も利点です。水素が再生可能エネルギーから製造されると完全なクリーン燃料となり、化石燃料依存からの脱却へ突破口になります。
世界が目指す「水素社会」というビジョンは、水素を中心にしたエネルギーシステムを構築し、持続可能な社会を作る試みです。日本を含む多くの国で水素燃料自動車の普及促進とその水素ステーション整備が進んでいます。国際的な水素供給ネットワークの構築への投資や研究も急速に進められ、将来的なエネルギー供給の多様化に貢献しています。
脱炭素社会への移行を加速するため、水素技術の革新と普及が求められています。水素エネルギーへの投資増加や水素利用技術の研究開発などが具体的な行動です。私たち市民も水素製品の選択やクリーンエネルギー知識を深めることで支援が可能です。
水素エネルギーが与える影響は、持続可能な社会の実現と日々の取り組みを通して、地球環境の保全と私たちの生活の質の向上に寄与するはずです。
脱炭素化エネルギーを使用した飛行機や車の利用
脱炭素社会実現に向けた次世代の移動手段の非常に重要となっています。私たちの日常生活に欠かせない移動手段も、脱炭素化に向けて変化しています。移動における温室効果ガスの排出量は大きな割合を占めるため、技術開発が急速に進められています。脱炭素社会を目指す上で、電気自動車(EV)やハイブリッド車の普及は避けられず、これらの車両への需要は世界的に増加しています。さらに、地上だけでなく空の輸送手段にも変革が求められ、全電動飛行機やバイオフューエルを活用した航空機の研究・開発が進められています。
これらの先進的な車両や航空機が普及すれば、化石燃料依存からの脱却が可能となり、環境への負荷を削減できます。これらの取り組みは、脱炭素社会への移行を加速し、持続可能な環境を次世代に継承するため、非常に重要です。電気自動車はその代表例であり、排出ゼロのクリーンな移動手段として、世界中で販売台数が増加しており、環境問題への意識の高まりを示しています。
技術の現状は完璧ではありませんが、電気自動車の長距離走行能力の向上や、航続距離のテスト飛行を行う全電動飛行機など、日々進化しています。近い将来、より多くの人がこれらの環境に優しい輸送手段を利用する日が来るでしょう。私たちは今、脱炭素化への取り組みで大きな転換点に立っており、選択が未来の環境に大きな影響を与えることを忘れてはいけません。
日本の脱炭素社会への挑戦
地球規模で進行する気候変動に対抗して、各国が炭素排出量を削減し、持続可能な社会を目指す脱炭素社会の実現に取り組んでいます。その中で、工業国としての歴史を持ち、環境技術を開発し続ける日本は、気候変動へのさらなる取り組みが求められています。
では日本ではどのような施策が進められているのでしょうか。対策事例を見ていきましょう。
地球温暖化対策の推進にまつわる法の整備
日本では気候変動に対抗するため、地球温暖化対策法を始めとする諸法律の整備が進められています。
地球温暖化対策法は、地球温暖化の影響を最小限に抑えるべく、国・自治体・事業者・国民が一体となって取り組めるようにすることを目的に制定されました。
2021年にはこの法律の一部が改正され、2050年の温室効果ガス排出量の実質ゼロを目標に、企業の報告義務や地方自治体の役割が強化されるなど、政府だけでなく企業や市民も協力し、脱炭素社会の実現を目指しています。
これらの政策や取り組みは国際社会での日本の約束を果たし、地球規模での気候変動緩和に役立っています。
地域脱炭素ロードマップの策定
脱炭素社会への移行には、政府だけでなく地方と協力して対策に取り組んでいくことも必要不可欠です。その一環として、2021年に地域脱炭素ロードマップが策定されました。
地域脱炭素ロードマップでは、各地域の自然環境や産業的特性を守りつつ、地域脱炭素を実現するために2030年までに集中して行う取組・施策を中心に、工程と具体策を示しています。
ここでポイントとなるのは、地方創生に寄与するように脱炭素施策を進めるということです。
とりわけ再生可能エネルギーの活用に焦点が当てられています。
エネルギー供給や消費方法を根本から見直し、地域の雇用や資本を活かした再生可能エネルギーへのシフトや省エネルギー技術の導入を進めることが期待されています。地域の経済収支の改善につながることが期待できます。
また意欲的に脱炭素に取り組む地域を脱炭素先行地域とし、2030年までに重点的に対策を実施しています。
2030年以降も成功した取り組み事例を参考に、他の地域でも同様の取り組みが実施されるようになる「脱炭素ドミノ」を起こすことで、2050年よりも早い段階で地域レベルでの脱炭素社会を実現することを目指しています。
これは将来世代に豊かな地球を引き継ぐための具体的かつ実行可能な行動指針です。
ゼロカーボンシティの普及
環境保全への関心が高まっている中、日本の多くの地方都市がゼロカーボンシティを宣言し積極的に取り組んでいます。
ゼロカーボンシティとは、2050年に二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らが又は地方自治体として公表した地方自治体のことを指します。
2023年9月時点では、東京都・京都市・横浜市を始めとする991自治体(46都道府県、558市、22特別区、317町、48村)がゼロカーボンシティの表明を行なっており、自治体レベルでの脱炭素実現に向けた取り組みが進められています。
ゼロカーボンシティを宣言することにより、環境省から脱炭素に向けた取り組みの支援を優先的に受けることが可能になります。
例えば、環境省が提供する、地方公共団体実行計画策定・実施支援サイト(https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/index.html)では、計画の策定・実施マニュアルや各自治体の取り組み状況・事例を公開されています。このサイトを活用することで、まだ具体的に動けていない自治体も取り組みを進めやすくなります。
自治体レベルでの取り組みによって、都市の基盤が持続可能なものへと変わり、住民のライフスタイルも環境に優しく導かれます。地方都市が変革の先駆者となり、二酸化炭素(CO2)排出量を減らし脱炭素社会への大きな一歩を踏み出しています。
企業の取り組み
企業が脱炭素へ取り組むことは、単なる社会貢献を超え、自らの持続可能な成長に直結しています。脱炭素社会への移行は、地球温暖化の緩和に貢献し、企業の持続可能な経営を促進すると同時に、社会的貢献と企業価値の向上を実現します。
脱炭素社会に意欲的な企業は、省エネルギー技術の導入や再生可能エネルギーへのシフト、効率的な物流システムの構築、サプライチェーンの環境管理の徹底など、幅広い戦略を展開しています。これらの施策は、環境保護はもちろん、エネルギーコストの削減や新市場への進出、消費者からの信頼獲得に結びつきます。
ここからは企業単位で実行できる取り組みについてご紹介します。企業による環境戦略の実行は、地球環境を守りながら経済的持続可能性をもたらす新しいビジネスモデルへの転換点です。
国際的なイニシアティブへの参加
企業が気候変動の危機に対処するため脱炭素社会の実現に取り組むことは緊急の課題です。再生可能エネルギーの活用を通じて、企業の努力を可視化し、社会への積極的な姿勢を示すことができます。
国際的な気候変動イニシアティブには以下のものなどがあります。
・CDP
企業や都市、州、地域が気候変動、水の安全保障、森林の破壊についての情報を開示し、管理するためのグローバルな非営利組織
・RE100
企業が使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることを目指す国際イニシアチブ
・SBT
企業が気候変動に対する自社の責任を認識し、科学的根拠に基づいて証明された目標を設定して二酸化炭素排出量を削減することを奨励するプロジェクト
企業はこれらの国際的なイニシアティブに参加することで、脱炭素社会に向けた取り組みをアピールすることができ、さらに、CSR強化、ブランドイメージ向上、新ビジネスチャンス創出、リスク管理にも寄与します。
オフィス環境や業務の見直し
職場の環境は環境問題への責任ある態度の出発点です。具体的には、文書のデジタル化を進め、紙の無駄遣いを減らすペーパーレスを推進し、省エネを意識した照明やオフィス機器を選び、環境に配慮した効率的な職場を作りましょう。また、勤務形態の多様化に伴うテレワークの導入は、従業員の通勤によるCO2排出削減にも効果が期待されます。
これらの取り組みは従業員の働きやすさを向上させるとともに、電気や紙のコスト削減にも貢献します。企業のオフィス管理を見直すことは環境に優しく持続可能な社会づくりに寄与し、経済的メリットも得られます。一般市民の皆さんにとっても、企業の脱炭素措置は社会的責任を評価する際の重要な要素です。
脱炭素化に適した設備・技術の導入
持続可能な未来のためには、企業が脱炭素に向けて取り組むことが不可欠です。具体的には、太陽光発電や風力発電設備の活用、省エネルギーに優れた熱管理技術の導入、また資源のリサイクルシステムの推進など、環境に優しい先進設備や技術への移行が求められます。これらには初期投資が必要かもしれませんが、長期的には企業のエネルギーコストを大幅に削減し、地球温暖化の主要原因である温室効果ガスの排出を減らすため、社会の持続可能性に貢献する重要なステップです。
脱炭素社会に向けて私たちができること
ここまで国や企業の脱炭素施策を見てきました。しかしここで「一人ひとりの力で本当に地球環境は守れるのか」という疑問を持った方もいるのではないでしょうか。そこでここからは私たちが日常生活の中でも取り組める脱炭素対策についてご紹介します。
私たちの日常生活の選択一つ一つが、全体として地球温暖化防止に貢献する道を切り開く重要な鍵となります。
これらの小さな行動が積み重なって、脱炭素への大きな波及効果を生み出します。地球を守るための日々の選択を今日から一緒に実践してみませんか。
電力会社の見直し
電力会社を再考してみましょう。私たちの生活は電力に依存しています。しかし、電力の生成方法は炭素排出に大きく関連しており、脱炭素社会の実現には電力消費構造の変革が必要です。その鍵のひとつが電力会社の選択にあります。再生可能エネルギーに注目した電力会社への切り替えは、脱炭素社会への貢献につながる簡単かつ実効性のある第一歩です。
具体的には、太陽光発電や風力発電を積極的に利用する電力会社を選ぶことが重要です。これらのエネルギー源は、化石燃料の燃焼に比べて温室効果ガスの排出が少ないかゼロであるというメリットがあります。再生可能エネルギーの割合を公表する電力会社もあるので、エネルギー源の情報を参考にして電力会社の選択をすることができます。
さらに、自宅の電力使用を見直し、無駄なエネルギー消費を抑え、環境に優しい生活を実践できます。節電やエネルギー効率が高い家電への切り替えは、環境への影響と経済的負担を長期的に軽減します。
私たちが意識を変え、行動することで地球環境の改善につながります。環境問題に関心があるあなたができるのは、地球に優しい電力会社への変更と、最適なエネルギー源の選択です。
エコバッグ・マイボトルを持参する
プラスチック廃棄物の削減は、これからの脱炭素社会に向けて不可欠です。多くの人が日常のショッピングや飲料水の消費で、使い捨てのプラスチック製品を使用して環境への負荷を深刻化しています。しかし、身近な行動変化ひとつで大きな違いが生まれます。エコバッグやマイボトルを常に持ち歩き、利用する習慣をつけましょう。
これら再使用可能なアイテムの選択により、プラスチックごみの削減と自然への影響を大きく減らせます。製品を製造する過程や市場へ運ぶ際の二酸化炭素(CO2)の排出も抑制されるため、地球温暖化の防止に寄与します。
使い捨てプラスチックの問題が注目される今、個人の具体的な行動が重要です。レジ袋を断って自分のエコバッグを使い、ペットボトルの代わりにお気に入りのマイボトルを携帯しましょう。これら一つ一つの行動が集まり、炭素排出量の削減につながります。私たちは日々の選択で地球の未来が変わります。
今日からエコバッグとマイボトルを持参し、脱炭素社会の実現に一歩踏み出しましょう。環境問題に対する行動は持続可能な未来を築く力となります。
太陽光発電を実施する
太陽光発電は、再生可能エネルギーの有効活用により持続可能な社会づくりに貢献します。自宅に太陽光パネルを設置することで温室効果ガスの排出削減に直結し、自家消費による電力確保と将来的な電気代節約が可能になります。
初期投資の回収後は、クリーンエネルギーをほぼ無コストで利用でき、環境配慮と家計負担の軽減を実現できます。
太陽光発電への移行は地球環境の保全と経済的メリットを得る賢い選択です。環境問題に関心を持つ皆様には、この持続可能なエネルギーシステムの検討をおすすめします。脱炭素社会への一歩を自宅から始める絶好の機会です。
省エネ家電を選択する
家電を省エネ対応している製品にすることも有効的です。
代表的な例として、白熱電球からLED電球へ変更することが挙げられます。そのほかにも、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機など、電力消費を抑えることができる製品を選択すると良いでしょう。
省エネ家電を使用することで、電力消費が減り、それにより発電所から排出される二酸化炭素の量も減少します。
さらに家庭の電気代節約効果も期待できます。
【まとめ】脱炭素について理解し、日常生活の中では環境に配慮した選択をしよう!
この記事では脱炭素について、その意味と取り組む理由・取り組み状況について紹介してきました。
脱炭素という言葉だけだと、今すぐに取り組める身近なものではない印象を受けるかもしれません。
しかしこの記事でお伝えしてきたように、世界規模、国規模で取り組むことももちろんですが、脱炭素社会の実現には私たちの意識と行動が不可欠です。日々の小さな選択が地球環境へ大きな変化を生み出します。
できることからで問題ありません。この記事でご紹介した事例を取り入れ、脱炭素社会の実現に向けて一歩ずつ歩みを進めていきましょう。